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母子家庭は毎月いくらもらえる?手当や免除されるものを紹介

シングルマザーがもらえる手当て

母子家庭が大変なことは、働く時間に加えて子育ての時間も確保しなければならず、収入面での不安が尽きないことです。

国や自治体では、母子家庭の生活が少しでも楽になるように、毎月受け取れる手当てや免除制度を用意しています。

毎日の生活費以外にも子育てに必要なお金も受け取れるので、ご自分の家庭に最適な手当てをもらえるようにしてください。

目次

母子家庭が毎月もらえる手当てや免除制度

母子家庭が毎月もらえる手当金の一覧と、1か月に受け取り可能な最大支給額は以下のとおりです。

手当金・制度名1か月の最大支給額
児童扶養手当45,500円
児童育成手当育成手当:13,500円

障害手当:15,500円
特別児童扶養手当1級:55,350円
2級:36,860円
ひとり親家庭住宅手当1万5,000円
ひとり親家族等医療費助成制度自己負担額

※自治体による

例えば、東京都世田谷区で母子家庭が受けられる1か月の手当金をシミュレーションした結果は以下のようになります。

手当子供1人子供2人
児童扶養手当45,500円45,500円+10,750円
児童育成手当13,500円13,500円×2人
ひとり親家庭住宅手当40,000円40,000円
合計99,000円123,250円

※最長10年

子どもが1人の場合は最大9万9,000円、子ども2人の場合は12万3,250円となり、ひとり親家庭住宅手当が高額なため、受給総額も多くなっています。

児童育成手当は東京都のみの制度なため、他の都道府県では加算されません。

千葉県浦安市の場合もシミュレーションしてみると、子どもが1人の世帯は最大6万500円、子ども2人の場合は7万1,250円となり、一般的にはこの金額が目安になるといえます。

手当子供1人子供2人
児童扶養手当45,500円45,500円+10,750円
ひとり親家庭住宅手当15,000円15,000円
合計60,500円71,250円

児童扶養手当は高校卒業まで最高月4万5500円もらえる

児童扶養手当は、父母が離婚したなどの理由で、父または母とともに生活していない子どものいるひとり親家庭に支給される手当金です。

ひとり親世帯の生活の安定と自立促進、子どもの福祉増進を目的としています。

支給金額は、受給者の所得により全部支給または一部支給となるかが決まり、さらに子どもの人数によっても異なります。

子どもの人数全部支給一部支給
1人目45,500円45,490円~10,740円
2人目10,750円10,740円~5,380円
3人目以降10,750円10,740円~5,380円
引用:こども家庭庁「児童扶養手当について」

※2024年11月分より、子ども2人目と同額に変更

所得基準が全部支給に該当し、子どもが3人いる母子家庭の場合をシミュレーションすると、支給金額は6万7,000円(45,500円+10,750円+10,750円)です。

支給月は、奇数月(1月・3月・5月・7月・9月・11月)の年6回です。

支給対象者

支給対象者は、18歳になった日以降、初めての3月31日までにある子ども(子どもに一定の障害がある場合は20歳未満)を養育する父や母、祖父母などの養育者です。

なお、「18歳になった日以降、初めての3月31日までにある子ども」とは、一般的に高校3年生を卒業するまでの子どもが該当します。

支給対象となる子どもの要件

支給対象となるのは、以下のいずれかの要件を満たす子どもです。

  • 両親が離婚した
  • 父または母が死亡した
  • 父または母が一定の程度の障害状態にある
  • 父または母が相手からの暴力により保護命令を受けた
  • 父または母から継続して1年以上扶養されていない
  • 婚姻関係のない両親のもとに生まれた子ども
  • 父または母の生死が不明
  • 父または母が継続して1年以上刑務所や拘置所に入っている
  • 父母が不明(棄児など)

ただし、以下の場合は支給対象外です。

  • 子どもや親などの住所が日本にない
  • 児童福祉施設などに入所している
  • 事実上の配偶者に扶養されている
  • 父および母と一緒に暮らしている

なお、支給要件は自治体により異なるため、申請する際には公式サイトや役所の担当窓口で確認してください。

所得制限

児童扶養手当の受取人の所得が一定額以上になった場合、手当金の全部または一部の支給が受けられなくなります。

扶養する子どもの人数ごとの所得制限は以下のとおり。

子どもの人数全部支給一部支給
1人107万円246万円
2人145万円284万円
3人183万円322万円

児童育成手当は高校卒業までの子どもがいれば月13500円がもらえる

児童育成手当は東京都独自の制度で、母子家庭などひとりで子どもを育てている人に支給される手当金となっており「育成手当」と「障害手当」の2種類があります。

児童育成手当(障害手当)は、児童育成手当の支給制度の実現を図ることにより、児童の福祉の増進に資することを目的とした東京都の制度です。

引用元:西東京市

子ども1人当たりの手当金額は以下のとおりです。

育成手当13,500円
障害手当15,500円
引用:練馬区公式ホームページ「児童育成手当」

支給月は6月・10月・2月の年3回で、各月10日頃に口座に振り込まれます。

支給対象者

育成手当の支給対象者は、次のいずれかに当てはまる子どもを扶養している人です。※18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子ども

  • 父母が離婚した
  • 父または母が死亡した
  • 父または母が心身に重い障害がある
  • 父または母に継続して1年以上放置されている
  • 父または母が裁判所からのDV保護命令を受けている
  • 父または母が継続して1年以上刑務所などで刑に服している
  • 婚外子であり、父(父子家庭の場合は母)に扶養されていない
  • 父または母の生死が不明

障害手当は、心身に一定の障害を持つ20歳未満の子どもを養育している保護者が受給できます。

該当する障害は以下のとおり。

  • 愛の手帳1~3度
  • 身体障害者手帳1・2級
  • 脳性まひまたは進行性筋萎縮症

なお、区の心身障害者福祉手当とは併給はできません。

育成手当・障害手当ともに、以下の場合は支給対象外となります。

  • 子どもが児童福祉施設等に入所している
  • 里親に預けられている
  • 国内に住んでいない

所得制限

児童育成手当には所得制限があり、扶養人数ごとに決められた所得制限額を超えると受給できません。

扶養人数所得制限額
0人3,604,000円
1人3,984,000円
2人4,364,000円
3人4,744,000円
引用:新宿区「児童育成手当」

特別児童扶養手当は障害のある子どもを育てる人に5万5,350円支給される

特別児童扶養手当は、精神や知的、身体に障害を持つ20歳未満の子どもを養育している人に支給される手当金です。

支給額は障害の程度により異なり、1級に該当する場合は55,350円、2級の場合は36,860円です。

支給月は原則として4月・8月・12月の年3回で、各月の前月分までがまとめて支払われます。

ただし、以下に該当する場合は支給の対象外となります。

  • 子どもが施設等に入所している
  • 障害を支給事由とした公的年金を受給している
  • 子どもや受給者が国内に住んでいない

特別児童扶養手当を受給するには所得制限を満たしている必要があり、受給者本人や配偶者などの所得額が、所定の限度額を超えると支給されません。

具体的な所得条件は以下のとおりです。

扶養親族等の人数本人の所得配偶者・扶養義務者の所得
0人4,596,000円6,287,000円
1人4,976,000円6,536,000円
2人5,356,000円6,749,000円
3人5,736,000円6,962,000円
引用:特別児童扶養手当について|厚生労働省

なお、特別児童扶養手当と児童扶養手当は、それぞれの受給条件を満たしていれば併給可能です。

ひとり親家庭住宅手当は月5000円~1万5000円程の家賃補助を受けられる

ひとり親家庭住宅手当は、ひとり親世帯を対象とした家賃補助制度で、自治体により家賃補助・住宅手当・住宅費助成制度といったように名称が異なります。

補助金額は自治体により異なるため、一例を紹介します。

自治体名金額(上限)
東京都世田谷区40,000円
東京都武蔵野市10,000円
千葉県君津市5,000円
千葉県浦安市15,000円
神奈川県鎌倉市9,000円
兵庫県神戸市15,000円

ひとり親向けの住宅補助制度がある自治体では、5,000円から1万5,000円の範囲で補助を行っているところが多いです。

補助対象者

ひとり親家庭住宅手当の補助を受けられる条件は自治体ごとに異なりますが、次のような条件が決められているのが一般的です。

  • 0歳未満の子どもを養育しているひとり親家庭である
  • 民間のアパートなどを自分で借りて家賃を支払っている
  • 所得条件を満たしている

自治体によっては、以下のような条件が設けられているケースもあります。

  • 自治体内に引き続き一定期間以上住んでいる
  • 生活保護の住宅補助を受けていない
  • 公営住宅に申し込み落選している

ひとり親家族等医療費助成制度は保険診療の自己負担額が補助される

ひとり親家族等医療費助成制度は、健康保険に加入しているひとり親やその子どもなどが、病気やけがで医療機関にかかった際の医療費の自己負担額を助成する制度です。

発行された医療証を健康保険証とともに会計窓口で提示すると自己負担がかかりません。

助成金は自治体ごとに異なり、例えば千葉県柏市では、ひとり親は0円または300円で子どもは無料で受診可能です。

神奈川県藤沢市のように自己負担分が全額助成される自治体もあります。

住民税非課税世帯の場合は自己負担はありません。

補助対象

ひとり親家族等医療費助成制度の補助対象者は、以下に該当する人です。

  • ひとり親家庭の母または父
  • 両親がいない子どもを養育している人
  • ひとり親家庭の子どもで、18歳に達した日の属する年度の末日(障害がある場合は20歳未満)までの子ども

ただし、以下の場合は補助対象外です。

  • 生活保護を受けている
  • 子どもが児童福祉施設に入居している
  • 里親が子どもを育てている

所得制限

扶養人数に応じて、以下の所得制限額が決められており、収入が越えなければ助成金を受給できます。

扶養親族の数父または母など配偶者や扶養義務者
0人1,920,000円2,360,000円
1人2,300,000円2,740,000円
2人2,680,000円3,120,000円
3人3,060,000円3,500,000円
引用:ひとり親家庭等医療費助成|品川区

補助対象になるもの

補助対象になるのは、公的医療保険の対象となる医療費や薬剤費などで、以下のものは補助の対象外になります。

  • 健康診断、予防接種、差額ベッド代など
  • 健康保険組合から支給される高額療養費などに該当する医療費
  • 学校でのケガや病気
  • その他、公費医療で助成される医療費

H2 子どもの保育料・学費に活用できる制度
母子家庭が、子どもを保育園や幼稚園に入園させる際や義務教育を受けさせる際、高校や大学に進学させる際に利用できる制度があります。

幼児教育や保育の無償化は住民税非課税世帯なら0歳から保育料が無料

令和元年10月から幼児教育・保育の無料化がスタートしたことにより、3歳から5歳の保育料が無料となっています。

0歳から2歳までの子どもについては原則として保育料の負担が発生しますが、住民税非課税世帯は無料です。

ひとり親家庭で住民税非課税世帯に該当すれば、0歳から無料で保育園などを利用できます。

就学援助制度は入学費から修学旅行費まで援助を受けられる

就学援助制度は、経済的な理由で子どもの就学に必要な費用の支出が難しい場合に、自治体の援助を受けられる制度です。

対象となるのは、生活保護を受けている世帯やそれに準ずる世帯などで、収入状況や学校の意見などを元に総合的に判断されます。

援助が受けられるのは、学用品費や学校給食費、通学費、修学旅行費など多岐にわたり、入学時には新入学児童生徒学用品費も合わせて支給されます。

高等教育の修学支援新制度は返済不要の給付型奨学金

高等教育の修学支援新制度は、子どもの進学に対する意欲を支援するための制度で、授業料や入学金の免除・減額や、返済不要の給付型奨学金を受けられます。

修学支援新制度の対象になるのは、以下の2つの条件を満たす子どもです。

  • 住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯である
  • 学びの意欲があり将来的に自立し社会で活躍できることを目指す子ども

支援を受けられる金額は、世帯収入に応じて4段階に分かれており、自分がどの段階に該当するかは、日本学生支援機構の「進学シミュレーター」でシミュレーションできます。

給付型奨学金で受け取れる金額は以下のとおりです。

学校区分自宅通学自宅外通学
大学・短大・専門学校国公立35万円80万円
私立46万円91万円
高等専門学校国公立21万円41万円
私立32万円52万円
住民税非課税世帯(第Ⅰ区分)の場合

※受給額は年額です
※第Ⅱ区分の場合は第Ⅰ区分の2/3、第Ⅲ区分の場合は第Ⅰ区分の1/3となります
引用:高等教育の修学支援新制度:文部科学省

給付型奨学金を受けられる子どもは、授業料と入学金の減免も受け取り可能です。


学校の区分
国公立私立
入学金授業料入学金授業料
大学28万円54万円26万円70万円
短大17万円39万円25万円62万円
高等専門学校8万円23万円13万円70万円
専門学校7万円17万円16万円59万円
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